会長挨拶

会長挨拶

工学同窓会 会長 小柴 満信

MITSUNOBU KOSHIBA

 皆様、今年度、工学部同窓会長に就任させていただきました小柴満信でございます。1978年に工学部印刷工学科を卒業し、その後、工学研究科に進み、1980年に修士課程を終了いたしました。その後、指導教官の山岡先生の「小柴君、これからは世界が相手ですよ。」というお言葉に刺激を得て、ロータリー財団奨学金を、幸運にもいただくことになり、米国Wisconsin州の州立大学のMadison校のMaterials Science Program(大学院)に留学をいたしました。その後、JSR株式会社(当時の日本合成ゴム)に就職し、今年度の株主総会で代表取締役社長を退任いたしました。何卒よろしくお願いいたします。
 長年、米国に居を構え仕事をしていた関係で千葉大学に伺うことがなかったのですが、今回の会長就任を機に久しぶりに西千葉のキャンパスにお邪魔しましたが、昔の面影は残っているのですが新しい建物が立ち並び、特に新しい「けやき会館」には驚きました。
 この数年、経済同友会や社業を通じて経産省や内閣府の仕事をお引き受けすることが多くなっております。また、弊社は2017年に慶應義塾大学の信濃町にある医学部および附属病院に共同研究棟と研究設備を寄贈し、本格的なライフサイエンスの基礎研究に取り組み始めております。そんな関りから大学の先生方や関係者の方々と接触する機会が多くなりましたが、つくづく感じるのは日本の高等教育の重要性が以前にも増して重要になっていることです。最近Geopolitics(地政学)に加えてGeo-Technologyという言葉が聞かれるようになりましたが、その理由はAI、ゲノム解析・編集、量子技術、そして宇宙工学が大きな進歩を遂げる2020年代には国力がTechnologyに大きく依存する時代になると考えられているからです。そして国際的な勢力図、特にサイバー空間の勢力図はTechnologyによって書き換えられるでしょう。
 日本のアカデミアには素晴らしい研究や技術成果があるにもかかわらず大学の先生をはじめとして研究者の方々が研究費確保に追われ本来の研究活動に集中できない現状があります。そして、日本の企業があまり冒険をしないため、折角のアカデミアの研究成果が社会実装されないなど、現実の課題を目の当たりにするたびに今後の日本の高等教育の支援体制やあり方に危惧を覚えます。工学部同窓会としてどこまでこういった課題に取り組めるかわかりませんが少しでもお役に立てれば幸甚です。
 さて、本学部は2021年に創立100周年を迎えます。本会報に皆様からの寄付を募る振込用紙が同封されています。100周年記念事業としては記念誌の発行、記念碑等の設置、講演会などが企画されています。是非とも100周年記念活動へのご理解とご協力をお願いいたします。
 同窓会は従来通りフォーミュラプロジェクト、空間デザインチームCUDA、ロボコンなどの支援とともに特定テーマで外部講師や非常勤講師の方々への謝礼金への援助など今まで通りの活動を続けて行きます。詳しくは工学部同窓会のホームページをご覧ください。(https://chiba-kougaku-dosokai.jp/?page_id=16)
 もう一つ皆様にお伝えしたいことがあります。千葉大学は「グローバル人材育成 “ENGINE”」という20年度以降に入学する学生全員に4年間の在学時に一定期間留学を必須化するというプログラムを国立大学では初めてのプログラムを今年の1月に発表をしました。同プログラムによって、⑴.学部・大学院生の全員留学を目指して留学プログラムや留学支援体制を強化する、⑵.外国人教員の増員等による「グローバル教育の充実」、⑶.ICTを活用した多方向個別学習システムの整備など、「いつでもどこでも学べる環境整備」などを進めていくということです。このプログラムは大変素晴らしく野心的な企画であり、私自身も経験しましたが、20代前半で海外の大学を経験するのは外国語のみならず多文化を身につけたグローバル人材の育成に大変役立つことだと思います。
 今後も千葉大学および工学部の発展と飛躍を祈念するとともに、卒業生皆様の工学部同窓会への一層の支援を改めてお願いして、挨拶とさせていただきます。

■経歴
1978年3月 千葉大学工学部印刷工学科 卒業
1980年3月 千葉大学大学院工学研究科修士課程 修了(印刷工学)
1980年10月~1981年6月 米国ウィスコンシン州 州立ウィスコンシン大学大学院材料科学科 在籍
1981年10月 日本合成ゴム株式会社(現:JSR株式会社) 入社
1990年8月 UCB-JSR ELECTRONICS, INC.(現:JSR Micro, Inc.) 出向
2002年6月 JSR株式会社 理事 電子材料事業部 電子材料第一部長
2009年4月 JSR株式会社 代表取締役社長
2019年6月 JSR株式会社 代表取締役会長