第V部会(化学・材料・物質)
■ 共生応用化学科近況
共生応用化学科の卒業生の皆様、そして前身である 合成化学科、工業化学科、応用化学科、機能材料工学科、物質工学科の卒業生の方々の第V部会および同窓会に対する日頃のご支援に深く感謝いたします。
運営交付金が毎年削減され、国立大学の予算は厳しい状況にあります。研究を行うには外部資金の獲得が重要になります。幸いにも、当学科では文部科学省の科学研究費補助金(科研費)の新学術領域「超高速 バイオアセンブラ」(関実教授・山田真澄准教授)、 科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)「革新的塗布型材料による有機薄膜太陽電池の構築」(矢貝史樹准教授)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発/基盤技術開発/低白金化技術(」星 永宏・中村将志准教授)の大型予算が入って活発に研究が行なわれています。これ以外にも、多数の教員が、科研費・企業との共同研究費・奨学寄附金を得て、研究の活力を上げています。
研究系の大学の使命である論文発表に関しても、Nature Communications, Angewandte Chemie International Edition, Journal of the American Chemical Society などのImpact Factorが10を超える著名な学術誌に多数の論文が掲載されています。また、斎藤恭一教授の研究グループが開発した「原発内の汚染水処理に役立つCs/Sr吸着繊維」は、福島第一原発 汚染水の新しい多核種除去設備(高性能ALPS)の部材として採用され、活躍します。当学科の研究成果は 基礎・応用の両面で社会に貢献しています。
受賞に関しては、平成26年6月に開催された「シン ポジウム モレキュラー・キラリティー 2014」において、坂本昌巳教授が「アキラル分子の不斉結晶化と 不斉合成への応用」に関する業績で分子不斉研究機構より「Molecular Chirality Award 2014」を受賞しました。この賞はノーベル化学賞の野依良治氏も受賞した権威あるものです。また、2013年11月には大窪貴洋助教が第45回溶融塩化学討論会において溶融塩奨励賞、桑折道済助教が2013年3月に日本化学会から若い世代の特別講演賞、同年5月に高分子学会から高分子研究奨励賞を受賞し、若手教員も大いに評価されています。これに呼応するように、大学院生の学会でのポスター賞・優秀講演賞などの受賞数は、2013年 10月から2014年9月の1年間でのべ33件に上ります。 国立大学法人の第二期中期目標期間は2015年度で終了し、2016年からより厳しい第三期中期目標期間に入ります。教員と学生が互いに刺激し合って、独創的で有意義な研究成果を生み出す教育・研究環境をより強固なものにし、厳しい時代を生き抜きたいと思います。
(学科長 星 永宏)