工学部長挨拶

工学部長挨拶

千葉大学工学部長 関 実

MINORU SEKI
生年月日/昭和32年9月26日
出生地/東京都
卒業年度/昭和57年 東京大学工学部化学工学科卒業
昭和59年 東京大学大学院工学系研究科
       化学工学専攻修士課程修了
博士(工学)(東京大学)

 同窓生の皆様に御挨拶を申し上げます。本年4月より,北村先生の後任として,工学部長,工学研究科長に着任致しました。どうぞ宜しくお願いを申し上げます。
 千葉大学工学部は,入学者志願状況,卒業生の進学・就職状況,教育プログラムや卒業生に対する社会からの評価の状況,研究成果の創出状況等,いずれを取っても,現状において大きな問題はなく,概ね健全な状態にあるものと考えております。このことは,前身の東京高等工芸学校から通算すれば100年近くの長きに渡る諸先輩方の営々たるご努力と本同窓会に関わる卒業生が社会で果たしてきた役割の着実な積み重ねによるものであり,大いなる敬意を表するものです。一方,この間,本学工学部では,社会の変化や時代の要請に答えるために,度重なる改革と創造を繰り返してきた結果,今日を迎えているとも言えるかと存じます。この伝統を大切にして行くと同時に,新しい潮流にも寄り添って行く姿勢を忘れてはならないと感じる次第です。
 さて,本年度は,2004年の国立大学法人化から12年目を迎え,6年を1期とする国立大学法人の中期目標期間の第2期の最終年度にあたっています。この間,国は,国立大学法人の教育研究と運営機能の向上を期待して改革を強く求めて来ました。一方,国からの財政的な支援に相当する運営費交付金は毎年削減され,2004年から2015年の約10年間で10%を超える削減が行われました。結果として,その減少分は,交付金以外の外部資金の獲得努力によって補われている状況にあります。しかしながら,2014年の消費増税,震災後の電気料金の高騰,円安による電子ジャーナル経費の急騰等を,大学の経営努力によって吸収せざるを得ない収益構造は,既に限界に達しているものとも考えられます。
こうした中,来年4月からの国立大学法人の第3期中期目標期間(2016-2021)に向けて,文部科学省からは,運営費交付金の配分方法を抜本的に変更する旨の内示があり,本年7月の来年度予算の概算要求に当たって,全ての国立大学は,3つの分類のうちの一つを選択するように求められました。これが,「3つの重点支援の枠組み」と呼ばれているもので,①地域貢献と特定分野の教育研究の推進,②特定分野の教育研究の推進,③全ての分野で世界的に卓越した教育研究・社会実装を推進,の3つです。どのカテゴリーを選択するかに悩む国立大学が多いことは,新聞等でも報道された通りですが,本学においては,法人の収益構造,研究・教育の実績等,重点支援に関わる評価指標を熟考した結果,第3群(③)を選択することになりました。結果として,重点支援①が55大学,②が15大学,③が16大学となりました。今回のカテゴライズは,運営費交付金の配分方法に留まらない意味があるとも言われ,本学の将来に大きな影響を与える可能性がありますので,慎重に推移を見極めた上での適切な対応をしていかなければならないと考えています。
全学的には上記のような大きな方向付けがなされていますが,工学部(工学研究科)に関わる部分では,本年3月に文部科学省が公表した「理工系人材育成戦略」にもあるように,大学(大学院)における「理工系プロフェッショナル,リーダー人材育成システムの強化」が強く要請されて来ています。これは,大学・産業界双方のコミットメントのもと,大学における理工系プロフェッショナルの養成機能を抜本的に強化しようとするものです。本学においては,理学研究科,融合科学研究科,工学研究科という3つの理工系人材育成の組織がありますが,現在,それらが一体となった改革を進行させているところで,産業界との連携を今まで以上に深めて行く必要があります。これまでにも様々な形で母校の発展に御援助を頂いているところではありますが,今後,同窓生の皆様からの御助力が,以前にも増して必要となる場面もあろうかと存じます。一層の御支援を賜ることができれば幸いです。
 最後に,松韻会館の改修工事について御報告させて頂きます。同窓生の皆様の拠り所の一つとも言える工学部の同窓会館が,本年9月より,全面的なリフォーム工事に入っております。耐震補強を施す必要があることから,国の補助金が得られた機会に,内装も含めてリニューアルするという計画が纏まり,幸いにも同窓会の皆様のご厚意により多くの寄付金を頂戴することが叶い,基本設計を栗生名誉教授の設計事務所にお願いして,来年4月の竣工を目指して作業を進めております。南門を入った正面に位置することから,JR総武線西千葉駅からの来訪者にとっては,千葉大学の顔とも言える建物に生まれ変わろうとしています。内部には,同窓会の事務局や工学部のアーカイブス展示コーナーを設けるほか,大学のインフォメーションデスクも設置される計画です。来年5月以降に,一度お訪ね頂ければと存じます。