会長挨拶

会長挨拶

工学同窓会 会長 薄葉 洋

YO USUBA

 2017年5月より工学同窓会会長を務めさせていただきます、1978年大学院工学研究科修士課程修了の薄葉でございます。久しぶりに千葉大学を訪れ、立派になったケヤキや桜並木を前にすると、改めて時の流れを感じる次第です。この間にも工学部の毎年の卒業生達が同窓会員となり、この同窓会を支えてきてくださいました。会長職を引き受けるにあたりまして、工学同窓会の目的である「会員相互の親交を図り、併せて斯界への発展に寄与」できるよう、力を尽くしてまいりたいと思います。会員の皆様におかれましても、益々のご支援とご協力を賜りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。 
 さて、ここで本同窓会会長としての所信を述べさせていただきたいと思います。 
 私は大学を出てから39年間、自動車産業、特にエンジンやトランスミッションといったパワートレイン開発分野で働いてまいりました。入社した当時は、米国ではマスキー法、国内では昭和51年規制と呼ばれる大幅な排出ガス規制のスタート直後の時期でした。その後も自動車産業は、更なる排気ガス規制や燃費改善、そして今話題の自動運転など多くの社会的要求や市場・お客さまのニーズに応える為の技術を投入してきました。 
 これらの技術開発は、大学をはじめとする研究機関や企業活動により進められます。また、その議論の場として色々な学会や日本自動車技術会などの場があるわけですが、私の関わっていたパワートレイン業界では、「ウイーンモーターシンポジューム」という世界のパワートレイン技術者が注目するシンポジュームがあります。その名の通り、オーストリアのウイーンで毎年開催されるのですが、なぜ注目されるのかというと、世界各国から参加する自動車メーカー・サプライヤー・エンジニアリング会社などの技術者からの発表内容のレベルの高さが上げられます。それに加え、参加する技術者の多くがウイーン工科大の卒業生で、さながら同窓会のような雰 囲気の中、お互いの技術論を交換する場だからでもあります。この例にあるように私達千葉大学工学同窓会が、技術開発や産業界のつながりを強めるべく働きかけられたら、アカデミア・企業・社会にとって素晴らしいことだと思います。
 また、産業界や社会とのかかわりという点で、現役学生の皆さんが参加し、千葉大学のプレゼンスを高めてくれている学生フォーミュラー大会、ロボコン、ソーラーデカスロン、東京デザインウィーク等の対外活動に対しても本同窓会からの援助を継続し、更に関わりを深めていきたいと思います。
 さて、千葉大学工学部は、その前身である東京高等工芸学校設立以来の歴史を数えると、2021年12月に100周年の節目の時を迎えます。日々現役の学生の皆さんの指導に当たりながら、その傍らで同窓会各部会幹事として毎年の同窓会運営を支えてくださっている教職員の先生方には、本当にお世話になっております。この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。100周年記念事業に向けては、その感謝の意も含め同窓会としての準備を進めたいと思います。
 トーマス・フリードマンが「フラット化する世界」を著した2005年、インターネットの広がりにより世界規模での水平分業が可能となり、グローバル化が進み、人的な交流も拡大しました。しかし最近は、その反動が色々な形で社会的な課題となって現れ、逆行する懸念が生まれている昨今です。しかしながら、経済活動のみならず、技術交流や情報のやり取りでのグローバル化をとめることはできません。工学は、社会に価値と豊かさを提供する学問だと思います。千葉大学工学部の先生方・学生の皆さん・そして卒業生が、世界に、そしてグローバルに今後も価値を提供していけるよう、この同窓会が直接的・間接的にお手伝いしていくことを皆様とともに確認し、私の挨拶とさせていただきます。

■経歴
1976年3月 千葉大学工学部機械工学科 卒業
1978年3月 千葉大学大学院工学研究科 修士課程修了
1978年4月 日産自動車株式会社 入社
2005年~2009年 同社 SVP(常務執行役員) パワートレイン開発担当
2009年~2014年 ジヤトコ株式会社 取締役副社長
2014年~2017年 ジヤトコエンジニアリング株式会社 社長
2017年7月より パーソルR&D株式会社技術顧問を経てAVCテクノロジー株式会社・AVCマルチメディアソフト株式会社 代表取締役副社長 COO