第XII部会 ナノ

第XII部会(ナノ)

■ ナノサイエンス学科だより

学科長 石井久夫

平成20年にスタートしたナノサイエンス学科も7年目を迎えました。この3月には、3期生が無事に卒業し、4月には7期生40名(マレーシア政府派遣留学生1名を含む)と3年次編入生2名を迎えることができました。そして例年の通り、入学式よりも前に新入生と編入生をガイダンス合宿に連れて行きました。つくばの高エネルギー加速器研究機構(KEK)の見学では、千葉大OGの酒巻真粧子博士にシンクロトロン放射光実験施設の実験ホールを案内してもらいました。今年は元気に質問をする新入生が多く、これからの成長をとても楽しみにしております。
教員の方は、いろいろと動きがあり、3月末で解良聡准教授が分子科学研究所の教授に、野口裕助教が明治大学理工学部の准教授にそれぞれ栄転し、上野信雄教授が定年退職されました。寂しくはなりますが、解良先生には客員教授として、上野先生には特別教授として、引き続き学科の研究・教育をお手伝いいただいております。
もともと教員数が少ないナノサイエンス学科ですが、これらの先生方のご協力も得て、引き続き研究・教育活動に励んで参りますので、同窓会の皆様にも是非ご支援のほどよろしくお願い申しあげます。
(2014/11/27)

第XI部会 メディカル

第XI部会(メディカル)

■ メディカルシステム工学科の現況
 メディカルシステム工学科は発足以来8年が経ち、教員・学生共々工学部内での立ち位置が固まってきたと思われます。何分にも組織規模が小さいので、隣接するフロンティアメディカル工学研究開発センターと共同で運営に当たってきました。また、他学科の多くの先生方のご支援、ご指導を賜わることができましたのも、今日の発展の原動力になりましたこと、紙面をお借りして御礼を申し上げます。
 さて、医工学を旗印とする教育・研究機関は本邦に20程あり、私共は工学部に軸足を置き、医学・工学に目の利く専門職を養成することで差別化を図っております。発足当時の試行錯誤を経て、また世に送り出す学生数が増えるに連れ、変化してゆく社会の要求に応える責任の重さも 、組織の有り様も変えて行く時期に差し掛かってきたことを痛感する昨今です。学部生、院生共に就職率および就職先も良好な状況が続いております。最近では医療系の企業に就職する学生が増えてきました。一方では博士課程の志願者数に比して定員が少ない状況が慢性化しており、なるべく多くの学生の希望を叶えてあげたい思いに悩んでおります。このようなことから、私共も意識改革を行うと同時に、受け皿をより活力あるものへと変貌させねばならないと力んでおる昨今です。ただ、知名度がいまひとつであるのが悩みの種で、構成員一同広報活動にも力をいれ、全国的な催し事に積極的に出展を繰り返しておりますが、皆様のお力で「千葉大学の医工学組織」のキーワードを折あるごとに広めていただければ幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。
(学科長 五十嵐辰男)

第X部会 都市環境

第X部会(都市環境)

2014都市環

■ 都市環境システム学科だより
学科長(教授)大坪泰文
 
 都市環境システム学科を卒業された皆様には、日頃より当学科に対して温かいご支援をいただき誠にありがとうございます。ここ2年間の都市環境システム学科・コースの近況についてご報告いたします。
 まず、教員の異動としては、2013年3月に北原理雄先生、丸山純先生、山本一雄先生、また2014年3月には客員教授の中谷正人先生の定年退職がありました。新任教員として、2013年4月に和嶋隆昌准教授、2014年4月に劉ウェン助教と大川信行客員准教授の着任がありました。和嶋准教授は環境リサイク分野、劉助教は都市インフラ分野、大川准教授は都市建築計画分野を担当していただくことになっております。異動ではありませんが、今年度は、郭東潤助教がサバティカル研修により12月までハーバード大学で研修を行っております。帰国後、研修の成果を学科における教育研究活動に活かしてくれるものと期待しております。現在、27名の教員で、1年次からの入学生50名(以下、いずれも定員)、3年次からの編入生45名(社会人15名を含む)、博士前期課程55名、博士後期課程6名の学生の教育研究に当たっております。
 人間社会のもつ機能という観点から、様々な都市環境問題に取り組むというのが本学科における教育の基本であり、このような問題の解決において重要なことは、多様な知識を有機的に結びつけ、システマティックに実践することと考えます。そのためには基礎となる学問の修得が不可欠であり、多くの学部の科目はこの趣旨に沿って構成されております。しかし、これら基礎学問を融合させて問題解決に展開するという観点からの科目が足りないという反省から、今年度演習の内容を大幅に変更しました。これまで、それぞれの領域で各論的な演習を行っておりましたが、テーマを「2050年の都市環境を考える」と一つにして、その枠の中で個別の問題について教員といっしょに解決策を考えるというスタイルにしました。地球温暖化、少子高齢化、都市の衰退などの問題を社会のシナリオとして考える能力を涵養することを主眼としています。
 卒業生におかれましては、このような学科だよりを見ると,学生時代の年間行事が頭に浮かぶことと思います。その中で最も大きなイベントは卒業研究発表会ではなかったかと考えております。これまでは、演台に立ちスライドを使って10分程度発表するという方式でしたが、これを、昨年度からポスター発表に変更しました。写真で紹介していますように、定められた時間、ポスターの前で個別に内容説明と質疑を行うというものです。これまでは複数の会場で並列に口頭発表を行ってもらいましたが、興味のある発表が重なった場合、一つしか聞くことができませんでした。このような問題が解消されるとともに充分な質疑時間をとることができるようになり、また思う存分1年間の成果を伝えることができるということから学生にも評判がよいようです。
 教員が展開している大型プロジェクトを紹介します。山崎文雄教授が、地球規模課題対応国際科学技術協力事業の防災分野「開発途上国のニーズを踏まえた防災科学技術」として「ペルーにおける地震・津波減災技術の向上に関する研究」を行っております。ペルーも環太平洋地震帯に属する地震・津波の多発国であり、地球規模のフィールドで地震・津波の事例収集につながるという科学的側面と日本が世界のリード役を期待される防災分野において国際的に貢献するという側面があります。また、中込秀樹教授は、林野庁の「木質バイオマスエネルギーを活用したモデル地域づくり推進事業」に採用され、「丸太燃料流通システムの構築」に関する研究を行っております。これは千葉県山武市のブランドであるサンブスギの有効利用と森の再生を連携させた取り組みであり、技術基盤の確立と地域への貢献を目指しております。
 この2年間における都市環境システムコースの教員の受賞を紹介します。山崎文雄教授が「平成26年度防災功労者防災担当大臣表彰」を受賞しました。山崎教授は、地震工学及び都市基盤工学分野で最先端の研究・教育を行うとともに防災行政へ有用な提言を行うなど、防災対策の推進に幅広く尽力された点が認められものです。また、郭東潤助教がInternational Urban Design Conferenceのベストポスター賞を、宮脇勝准教授が「2012年度日本都市計画学会年間優秀論文賞」を受賞しました。この他に、学生の学会賞受賞が8件ありました。
 教員も学生も多様な分野で活躍しております。今後とも、社会情勢に対応しつつ、学際領域にふさわしい総合的な教育研究を続けて行きたいと考えております。
(おおつぼ やすふみ)

(2014/12/01)

第VIII部会 情報

第VIII部会(情報)

■情報工学科同期会報告
 情報工学科を卒業して10年目の学生さんが集まる10年会(第6期生)を今年も、3月29日(土)の夕方に、 Asli 丸の内店で開催しました。集まっていただいた方は斉藤先生、市川先生、堀内先生と私、大沼を含めて18人でした。この会の幹事はソニーに勤める伊藤 彰彦で、集まった人数がちょっと少なめでしたが、楽しい会でした。会費は10年前の卒業の日に一人一万円を集めた同窓会費を使いました。10年目の人たちの会費をすべて使ったわけではありませんので、あまったお金は次の会を考えて使っていただけるのではないかと思っています。集まった人たちの近況報告の中には結婚されて、子供が2人という方もいらっしゃいましたし、結婚したばかりですという方もいらっしゃいました。職場の変ったかたもいらっしゃいました。10年目に会ってみると、新しい出会いや活躍の状況も分かります。変らない元気な顔に出会えると嬉しいです。堀内先生からはもっと多くの先生方が参加してくれるともっと楽しくなるのではとの意見もでて、2時間あまりの会も散会となりました。
 ところで、国立大学法人となった千葉大学のこれからは、同窓生との連帯が大切なことになります。ぜひ、このような会が大きく発展してくれることを期待します。(大沼記)

第VI部会 画像・写真

第VI部会(画像・写真)・第VII部会(画像・印刷)・第VIII部会(情報)

■ 画像科学科の近況画像科学科
学科長 久下謙一

【学科近況】
 改組により画像科学科が発足して7年目を迎えました。教育・研究の新しいプログラムを軌道にのせるべく奮闘していますが、世の中の動きは速くて、文科省の「国立大学改革プラン」に沿った大学の機能強化が求められ、次の改組が計画されています。現在、学部は工学部、大学院は融合科学研究科という体制ですが、融合科学研究科全体が大きく変わる可能性があり、それと連動した工学部の改組も今度どのような形になるのか、今のところまったく見とおせない状況です。
 改組と関連して、画像マテリアルコースが関係する分子キラリティ研究センターの設置が概算要求で文科省をとおり、財務省に行くことになりました。財務省での査定がどのようになるかはわかりませんが、今後に期待したいと思います。
 
【学科教職員の動向】
 今年3月には、学生時代を含めると千葉大生活50年近くになる小関先生が定年退職されました。来年3月には小林裕幸、立田両教授も定年退職されます。定員削減のため、これらの先生方の代替わりの予定が無く、現在の教職員だけで抜けられた穴を埋めるという、多忙な状態がしばらく続きそうです。小関先生にはグランドフェローとして引き続き授業や学生実験の一部をご担当いただいており、感謝に堪えません。
 
【画像科学科の取り組み】
 今年もグローバル人材育成の一環として、「画像化学に関するアジア学生ワークショップ2014」など、引き続きアジアを中心とした海外との交流を進めています。今年はこれまでのタイのチェラロンコン大学、キングモンクット大学トンブリ工科大学、マレーシアのマラヤ大学に加え、トルコのイスタンブール工科大学、イリディス工科大学が加わりました。学生を中心とする相互交流が、高原准教授をチーフに学科一丸となって盛んに行われています。また、政情不安に対応した危機対応マニュアルを作成するなど、交流事業の整備も着々と進められています。
 昨年より新設したe-learningを取り入れた工学国際英語も、1年のセミナーで学習方法を習熟させるなど、きめ細かい対策を続けています。基礎を重視したカリキュラムの改革も3年目です。年次進行のため、現在3年生まで新しいプログラムに切り替わっています。この成果が来年の卒業研究以降につながることを期待しています。
 学科の取り組みや最新情報などは下記の学科ホームページに記載されておりますので、お時間がありましたら是非ご覧いただきたく、お願いいたします。
(画像科学科URL:http://www.tp.chiba-u.jp/
 
■ 情報画像学科の近況情報画像学科
学科長 堀内隆彦
 情報画像学科は、この4月、新たに7期生を迎えました。また、大学院へ進学した1期生がこの3月に博士前期課程を修了し、6年間の教育を経て、社会へ巣立っていきました。震災以来、就職環境が思わしくなく、進学率、就職率ともに苦戦を強いられた期間が続きましたが、今年度はそれぞれ回復し、明るい兆しが見えています。就職先も、情報系、映像・画像系、それらを融合したサービス産業など、本学科の特色を反映した企業が多く、本学術分野を修学した学生に対する社会的な需要は、依然として高いことが感じられます。日頃より、同窓の皆様におかれましては、求人等で多大なるご支援および格別のご高配を賜っており、改めてお礼申し上げます。
 さて、今年3月には、2004年度より10年間にわたって本学科の教育・研究にご尽力いただきました阪田史郎教授が定年退職されました。3年続けて教授が定年退職されたことは、学科の教育・研究において不安視されるところもありましたが、経験と実績豊かな教授陣と、エネルギー溢れる若手教員が一丸となって学科運営に取り組んでいます。昨年度、サバティカル研修制度を利用して、長期の海外研修(ベルギー・アントワープ大学、イタリア・トリノ工科大学)をされていた須鎗弘樹教授は、無事研修を終えて戻られ、早速4月よりご活躍いただいています。この2年間で、合計4名の教員が長期海外研修の経験を積まれたことから、本学科の教育・研究に対して、今後より一層ご貢献いただけることが期待されます。
 また、本学は一昨年よりグローバル人材育成推進事業に採択され、英語力の強化、留学制度の推進が図られており、それにともなって本学科でもそれらの取り組みを実現するための入試改革、教育改革を始めています。編入学入試、大学院入試ではTOEICの受験を必須として、評価しています。研究室の配属にも、学部で導入したe-learningシステムの修学状況を考慮するなど、英語教育に取り組むモチベーションをあげる仕組みを整備した結果、TOEICの点数が順調に伸び、工業英検では優秀な成績により、文部科学大臣賞を受賞した学生もいました。海外留学をする学生も増加し、着実に意識の変化が見られ、グローバル教育の効果が現れ始めています。今後も、専門教育とあわせて、力を入れていきたいと考えています。
 本紙面ではご紹介できなかった学科の取り組みや、教育・学生の受賞等の最新情報につきましては、下記の学科ホームページに記載されておりますので、お時間がありましたら是非ご覧いただければ幸いです。
http://www.tj.chiba-u.jp

第IV部会 電気・電子

第IV部会(電気・電子)

■ 電気電子工学科便り
学科長 石谷善博
 新電気電子工学科の発足後、この3月をもって4年を満了し、初めての卒業生76名を送りだしました。その全員が就職または進学をし、内53名が当大学院博士前期課程電気電子系コースに進学しました。昨年は、国内では大震災、原発事故、世界ではヨーロッパの経済不安の長期化・拡大のため、我が国の産業界にとっては災い多い1年となり、卒業予定者は過酷な就職活動を強いられました。そのなかで、社会に旅立つことができた学生の努力に敬意を表すとともに、ご指導いただいた学科教員・スタッフ、事務、同窓会の皆様に感謝を申し上げます。
 さて学科の近況でございますが、ベンチャービジネスラボラトリを立上げ、その施設長を務められました吉川明彦先生が定年退職され、名誉教授の称号が授与されました。長年の大学・学科へのご貢献に感謝申し上げます。4月1日には、電波物理工学教育研究分野の鷹野敏明先生が教授に、システム数理教育研究分野の小圷成一先生が教授に、分子機能デバイス教育研究分野の酒井正俊先生が准教授にそれぞれ昇任されました。また、パワーシステム教育研究分野に名取賢二先生が、電子情報システム教育研究分野に角江崇先生がそれぞれ新任の助教として着任されました。先生方の益々のご活躍を期待したいと思います。
 この1年間の主要な受賞については、この4月に伊藤智義教授が文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞されました。学生では、3月に3年次学生川村悠祐さんが千葉大学学術研究学生表彰を受賞しました。
 現在、原発事故により国内外で発電事業のあり方に関して波紋が広がっています。この事故により、技術のあり方が改めて問われるとともに、我が国の社会の変化についても再考が促される契機となっていると思います。新学科となって一巡が終わりました今年度、当学科でもより良い社会の構築に貢献すべく教育全般を見直して問題点を抽出し、当面の課題から長期的な課題まで分類して討論と対処を始めました。
 以上、この1年の学科状況のご報告をいたしますとともに、同窓生の皆様には引き続きご支援を賜りたく、お願い申し上げます。

第III部会 機械

第III部会(機械)

■ 2014工学同窓会会報記事

2014機械1
2014機械2

■第12回全日本学生フォーミュラコンテストの報告

2014年9月2日~7日,エコパ(小笠山総合運動公園・静岡県)にて,第12回全日本学生フォーミュラ大会が開催され,本学の「千葉フォーミュラプロジェクト」が参加しました.→こちらをクリック

第II部会 建築

第II部会(建築)

■ 建築学科の概要
人間の暮らしに不可欠な衣・食・住のうち,建築は,人間の住まいを創造する仕事です。豊か・美しい・快い・安心できるなど,社会に対する人々の要望は様々ですが,建築にはこれらの要望を満たす具体性が求められます。社会基盤を構成する建築分野は,いつの時代においても不可欠であり,創造と進歩が常に求められる分野です。
 建築学科のカリキュラムは,歴史・設計・環境・設備・構造・生産など,建築に関する総合的な内容が網羅されております。将来,建築家を目指す人,設備や構造の技術者を目指す人など,様々な選択ができますが,建築を多面的に捉えられるように,また自分自身の適性を探れるように,3年生までは幅広い領域を学べるよう構成されています。個性と創造力が重視される建築設計カリキュラムでは,少人数制の演習を実践し,個々にきめ細かな指導を行っています。4年生になると研究室に配属され,各専門領域に特化した研究を行なうことになります。本学科では,大学院をも含めた6年一貫プログラムを組み,さらに高度な勉強・研究を行なうための環境を整備しています。また,欧州4大学と交換留学を行なうなど,国際交流にも力を入れています。
建築学科は,高等教育機関の技術者教育プログラムを評価・認定する機関であるJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けています。これより,本学科の卒業生は,技術士の一次試験が免除されます。
1921年に設立された工芸図案科・木材工芸科を前身とする建築学科には86年の伝統があります。総合建設業・住宅産業・建材製造業・設計事務所・諸官庁・教育研究機関ほか,様々な分野において,数多くの卒業生が活躍しています。
建築学科に関する情報は,その他,下記2つのホームページでご覧いただけます。
http://www.eng.chiba-u.ac.jp/faculty11.html
ここでは,学生の進路状況,学科コース長と建築学科4年生のインタビュー記事などが掲載されています。
http://www.archi.ta.chiba-u.jp/
ここでは,学生・教員の受賞記事など,建築学科の最新情報が掲載されています。これらのホームページもご覧いただければ幸いです。
(2014/11/28)
 

 

■2017工学同窓会会報記事
2014建築1
2014建築2

第I部会 意匠

意匠

第I部会(意匠)

■ デザイン学科だより
平成24年度デザイン学科長 デザイン科学専攻長 鈴木直人
 卒業生の皆様におかれましては、東アジア諸国との緊張関係、進まない震災被災地の復興、明るい兆しが見えない経済状況など、心労が嵩む今日この頃であると想像いたします。当学科も、社会とのかかわりを強く意識し、社会の変化に対応するデザインを考える教育・研究活動を進めていますので、少なからず影響を受けているのが現状です。このような背景を念頭に置き、最近の学科の動向をご報告いたします。
 国際交流・地域連携事業に関しては、本会報で別途詳しくお知らせいたしますが、工学部の中でも先駆的に国際化への対応を始めた当学科のグローバル人材の育成事業はアジア中心から世界展開へと広がっており、その流れは今後もさらに顕著になると思われます。地域の自治体、NPOとの地域連携事業は引き続き活発に展開しており、東日本大地震被災地との連携も見られるようになりました。宮城県名取市の仮設住宅の住民の方たちと一緒に行っている植物環境デザインがその実例の一つです。産学連携におきましては公表されていない研究も多々あるものの、デザインマネージメント、デザイン心理、人間生活工学、環境デザイン、デザイン文化計画の各研究室が積極的に企業・団体との共同研究を推進しています。最近では、日比野先生と先生ご自身で設立に係わられたべンチャー会社とダイキン工業㈱との共同研究で2012年度のグッドデザイン賞を受賞したニュースが注目を浴びました。
 学生、教員の動向についてですが、今年度の新入生の男女学生比が29名対38名と初めて女性優位となりました。この傾向は修士課程の新入生にはまだ見られませんが、逆転する日も近いような気がします。また、修士課程への内部進学者は昨年で6割強。今年度は12月の留学生入学試験の結果次第ですが恐らく7割強になると予想され、学部から博士前期課程へと続く一貫教育への移行の兆しを垣間見る事ができます。製品デザインの4名の学生の作品がミシュラン・チャレンジデザイン2013で世界72カ国、900以上の応募の中から入選いたしました事は、多々ある学生たちの受賞実績の中でも特筆すべき出来事かと思います。教員数は現在客員の先生方を含めて27名です。22-23年度にかけて3名が教授に、2名が准教授に昇任された事は昨年ご報告いたしましたが、今年度から原寛道先生が准教授に昇任されました。さらに、蘆澤雄亮先生が特任助教から助教になられ、また園芸学部から助教として、永瀬彩子先生に新しい戦力として加わっていただきました。昇任・採用人事の多くは若手の先生方であり、今後のデザイン学科の発展を担っていく事でしょう。
 最後になってしまいましたが、鈴木邁先生のお別れ会が今年5月に開催されました。先生の遺品の中から貴重な書籍を沢山ご寄付いただき、学生たちの学びの場に生かされています事をご報告いたします。